京都市バスで今年の3月、運行中に男性運転手(33)が突然失神し、乗客の男性がサイドブレーキをかけて停止させていたことがわかりました。
乗客約10人に怪我はありませんでした。
市交通局は「事故ではない」として、公表していませんでした。
市交通局によりますと、トラブルがあったのは3月19日午前9時10分頃で、立命館大学前発四条烏丸行き55系統の市バスでした。
バスは京都市上京区丹波屋町の千本中立売交差点で赤信号のため停車していましたが、信号が青に変わった際、運転手が突然けいれんを起こし、のけぞる状態になって意識を失いました。
バスはオートマチック車で、運転手の足がブレーキから離れたため自動的に前進し、交差点を超え、千本通を約20メートル進んだとのことです。
最前列に座っていた乗客の男性が異変に気付き、運転席左側にあるサイドブレーキをかけ、バスを停車。
別の乗客の女性が救急車を呼び、運転手は市内の病院に搬送されました。
ブレーキをかけた男性は名乗らずに立ち去ったとのことです。
運転手は通常通り、この日の業務前に健康チェックを受け、年2回の健康診断でも異常はなかったということです。
意識を失った原因は不明で、現在は自宅療養中となっており、今後精密検査をする予定とのこと。
市交通局は「乗客の機敏な対応に感謝している」「運転前の健康状態の確認をより詳細に行い、再発防止に努めたい」としています。
現場周辺地図
京都市上京区丹波屋町 千本中立売交差点