1998年の発売から25年以上が経過してもなお、「未完の名作」として多くのファンに愛され続けるRPG『ゼノギアス』。
この記事では、ゼノギアスのリメイクや新作の可能性、現在の公式の動き、そして今すぐ遊ぶための方法を徹底解説します。
ゼノギアスとは?今もリメイクが熱望される理由
『ゼノギアス』は、当時のスクウェア(現スクウェア・エニックス)が「ファイナルファンタジーVII」で培った技術と情熱を注ぎ込んだ大作RPGです。
なぜこれほどまでに長期間、リメイクを望む声が絶えないのでしょうか。
ファンの心を掴んで離さない要因を整理しました。
| 魅力の要素 | 具体的な内容 | ファンがリメイクに期待すること |
| SFと哲学の融合 | ・ロボット「ギア」による戦闘と、神や人類創世に関わる宗教的テーマが共存 ・主人公フェイの多重人格(イド)など、深い心理描写 | ・現代のグラフィックで描かれる重厚な世界観 ・難解かつ深遠なストーリーの再体験 |
| 未完のディスク2 | ・開発リソース不足により、後半(ディスク2)がほぼテキストとダイジェスト進行になった ・本来遊べるはずだったダンジョンやイベントが省略されている | ・最大の焦点 ・省略されたシナリオをゲームとしてプレイしたい ・「完全な形」での物語の完結 |
| 光田康典氏の音楽 | ・「SMALL TWO OF PIECES ~軋んだ破片~」など、涙を誘う名曲の数々 ・結婚式で使われるほど評価が高い楽曲群 | ・フルオーケストラや現代音源によるアレンジ ・感動的なシーンの再演出 |
特に「ディスク2」問題は、ファンの間で「もし完全に描かれていたらJRPG史が変わっていた」と言われるほどのロマンを含んでいます。
未完成であるがゆえに、「いつか完成形を見たい」という強い願いが、25年経った今も消えていないようです。
【ゼノギアス】リメイクや新作の可能性は?
では、肝心のリメイク計画は実際に進行しているのでしょうか?
現時点で、スクウェア・エニックスから「リメイク決定」という公式発表は一切ありません。
しかし、完全に可能性がゼロかと言うと、そうとも言い切れない「グレーゾーン」な状況が続いています。
公式の動きや噂の真偽について、事実関係をまとめました。
| 情報 | 具体的な内容 | 解釈・信憑性 |
| 株主総会での回答 (2023年など) | ・株主より「リマスターやリメイク」について質問が出る ・経営陣は「新作情報はお答えできないが、社内でいろいろ検討している」と回答 | 【可能性あり】 完全な「否定」ではなく、可能性を含ませた企業特有の言い回し 検討の余地はあると捉えられる「グレーゾーン」な状況 |
| リーク情報・噂 | ・過去にFF9などの情報が流出した「NVIDIAデータベース」には記載なし ・SNSや海外掲示板で「Switch向けに開発中」等の噂がされている | 【信憑性なし】 噂に具体的な根拠はなく、現時点で確度の高いリーク情報は「皆無」 |
ファンとしては、株主総会での「検討中」という言葉を唯一の希望として待ち続けているのが現状ですね。
公式が沈黙を守っている以上、過度な期待は禁物ですが、完全に忘れ去られたタイトルではないことは確かです。
開発の壁となる「権利問題」と「ディスク2」の課題
ゼノギアスのリメイクがなかなか実現しない背景には、単なる予算の問題だけでなく、ゼノギアス特有の複雑な事情があります。
特に大きなハードルとなっているのが、「開発スタッフの現状」と「作品の再構築」の難しさです。この2つの壁が、リメイクプロジェクトの発足を難しくしています。
| ハードル | 詳細な状況 | リメイクへの影響と懸念 |
| 開発スタッフ | 【原作者の不在】 ・ディレクターの高橋哲哉氏は退社し、現在は任天堂傘下のモノリスソフトで『ゼノブレイド』を制作中 【版権の所在】 ・『ゼノギアス』の権利(IP)はスクウェア・エニックスが100%保有 | ・高橋氏の協力なしで作ると「別物」と批判されるリスクがある ・他社(任天堂子会社)にいる高橋氏を巻き込むのはビジネス的に困難 ・精神的続編(ゼノサーガ、ゼノブレイド)との権利関係も複雑 |
| ディスク2の再構築 | 【膨大な作業量】 ・テキストで語られた部分をすべてゲーム化するには、莫大なシナリオ・イベント制作が必要 【正解が不明】 ・当時の構想がどこまで残っているか不明 | ・中途半端に補完するとファンを失望させる ・「完全版」を作るには、新作を作るのと同等以上のコストと労力がかかる ・FF7R並みの覚悟が必要になる |
権利はスクウェア・エニックスにあるため、理屈の上では同社単独で作ることは可能です。
しかし、ファンの想いが強い作品だけに、「オリジナルスタッフ不在でディスク2をいじって良いのか?」というデリケートな問題が常に付きまとっているのかもしれません。
スクエニのリメイク戦略から見る「実現の形」
もしゼノギアスがリメイクされるとしたら、どのような形式になるのでしょうか?
近年のスクウェア・エニックスは、過去の名作を様々な手法で蘇らせています。
ゼノギアスに適用される可能性のある3つのパターンと、それぞれのメリット・デメリットを分析してみましょう。
| リメイク方式 | 特徴 | 可能性と見解 |
| フルリメイク (FF7リメイク方式) | ・グラフィック、システム、ボイス全てを最新技術で刷新 | 【低い】 ・開発費が数十億〜数百億規模になる ・世界的な知名度(欧州未発売など)を考慮すると、投資回収のリスクが高すぎるため |
| HD-2Dリメイク (ライブ・ア・ライブ、 ドラクエ3方式) | ・ドット絵と3DCGを融合させた美しいビジュアル ・開発期間が比較的短い | 【中〜高】 ・原作(3D背景+2Dキャラ)との相性が非常に良い ・コストを抑えられるため実現性が高い ・ファンからも「雰囲気が壊れない」と期待されている |
| 2.5Dリメイク (スターオーシャン2 R方式) | ・ドット絵キャラはそのままに、背景をリッチな3Dで再構築 | 【有り】 ・海外ファンによるラハン村の再現動画が話題に ・コストを抑えつつ、現代的な遊びやすさを提供できる現実的なライン |
| 単なるHDリマスター (クロノ・クロス方式) | ・画質を少し綺麗にして現行機に移植 ・最も開発コストが安い | 【有り】 ・安上がりだが、「ディスク2の未完」がそのまま残る ・ファンが望む「完全版」にはならず、失望を買う恐れがある |
現実的な落としどころとしては、「スターオーシャン2 R」のような形式か、「HD-2D」でのリメイクが有力視されます。
これなら、世界展開で採算を合わせつつ、ファンの期待にも一定以上応えられるかもしれません。
まとめ
リメイクが実現すれば、ゲーム業界を揺るがす大きなニュースになることは間違いありません。ファンにできることは、公式イベントやグッズ展開を応援し、「待っています」という声を上げ続けることでしょう。
